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エアコンを運転すると室内ではとても複雑な気流と熱の移動が起こります。部屋を暖房する場合、風を下向きにすると最も効率がよいとされていますが、実際は室内では人が活動し、オフィスや店舗などでは部屋の中ほどに棚や仕切り、カウンターなどのオフィス家具があることも多いと思います。
このような場合に、エアコンの風向きによって部屋の暖まり方にどのような変化が起きるかを、人の動きや人の発する熱などの要素を省き、家具配置とエアコンの風向きによる変化のみで実験しました。
テストでは、左図のような家具配置の部屋に温度計を設置し、エアコン運転前~2時間後の温度を計測しました。
ほぼ同じ条件となった2つの日、同時刻に計測を開始しいずれも無人の状態で計測を行いました。
下の図は左図の矢印方向から見た様子です。図の中の数字は、左図の10カ所の温度を示しています。
暖気は上にたまるのでエアコンの風は下向きが良いとされますが、エアコンの風が遮られる場合は、左図のように中央部と両サイドのエリアで室温にムラができてしまいます。
また中央部で作業する人には風の直撃による暑すぎや過乾燥といった問題が起きてしまいます。
暖気は上にたまるというのは空気の特徴の一つですが、一方で熱は暖かい所から冷たい所へ伝わります。
部屋全体が均等に暖まることで場所による温度差が減り、天井や壁が暖まって熱放射が高まると、体感温度はより高くなります。
風向調整器を使用すると、実験のように2カ所はスイング運転で2箇所は上向き固定など、部屋のレイアウトや席の配置によってエリア別に細かな気流調整が可能です。